結城紬は日本最古の高級絹織物。約1200年も前の奈良時代から、常陸特産物として朝廷に上納されていました。見た目に質素で丈夫なため、鎌倉時代には武士の間でとくに人気があったそうです。今でも、糸つむぎ、かすりくくり、はた織りなど、工程はすべて当時と同じ手作業。そのため、一反織り上がるのに1年以上かかるものもあります。

 
袋真綿を「ツクシ」にからませ、手で糸を引き出して手元の「オボケ」の中にたくわえていきます。長さの異なる百数十本の単繊維が絡まりあうだけで、糸に撚りをかけません。一枚の着物を作るためには、約30kmの糸が必要です。
美しい模様を出すための工程です。特殊方眼紙に設計されたデザインに合わせて、手と口を使って綿糸でかたくしばっていきます。1mmの誤差を争う繊細な作業で、複雑な柄のときは、これだけで1カ月以上もかかるそうです。

袋染料を入れた釜で糸を煮ます。一回に染色するのは300〜500gほど。染料・温度・煮る時間が同じでも、お天気や湿度によって微妙に色合いが変わります。今では染料の質も良くなり、多種多彩な色が出せるようになりました。
昔ながらの織り機“いざりばた”を使ったはた織り。600gもある大きな杼(ひ)で、緯糸を3万回以上も打ち込んで織り上げます。糸つむぎ、かすりくくり、染色の各工程で注がれた技術が、ここで一反に結実します。